【2015年3月開業】北陸新幹線が開通して困る!?5つのこと

2015年3月14日、JRダイヤ改正に伴い、長野新幹線が金沢まで延伸し北陸新幹線が開通します。
新型車両「新幹線E7系・W7系電車」の投入と相まって、開業を控え盛り上がっている状況です。
しかし一方で、新幹線が開通することによって懸念される問題もあるのが事実。今回はそんな「北陸新幹線が開通して困ること」をご紹介いたします。
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この記事の目次
北陸新幹線沿線の都市が困る!?
出典:wikipedia
交通網の発達に伴う現象で「ストロー現象」というものがあります。
北陸新幹線の起点である東京を「口」に、沿線の各都市を「コップ」に例え、交通網の発達が、人口・物流・経済の一極集中を加速化させるという予測です。
地方の活性化をするという目的の新幹線が、皮肉なことに地方の衰退を招くというもの。
同様の現象では他の新幹線や高速道路でもすでに見られており、北陸新幹線の開業に関しても従来から懸念されている問題です。
ただ北陸新幹線の沿線には、金沢・富山・長野と観光地としてのコンテンツは充実しており、各地域のPRによっては逆ストロー現象を狙える可能性も大です。
関西の都市が困る!?
北陸新幹線の開通により東京-金沢間の所要時間が大幅に短縮され、交通の便がよくなります。
それにともない、人口・物流・経済の流れが大きく変わることが予想されます。
北陸地方は従来首都圏より京都・大阪などの関西圏に経済的・文化的にも近かったのですが、観光客誘致や進学・就職などに伴う人口の移動に大きな影響を与えそうです。
例えば石川県内の高校生の進学先は首都圏よりも関西圏の方がやや多いが首都圏に進学先を取られかねなく、京都や大阪の大学も危機感を募らせており、逆に首都圏の大学は北陸の高校生の誘致に力を入れてているようです。
大学全入の時代、私立大学の定員割れなども社会問題となりつつあり、熾烈な生存競争が始まっているのです。
サンダーバードの利用者が困る!?
出典:wikipedia
大阪・京都と北陸を結ぶ特急「サンダーバード」。
関西圏から北陸への主力交通であり、多くのビジネスユーザーや観光客に親しまれています。
現在は大阪から金沢・富山・魚津を結んでいますが、北陸新幹線の開通に伴い金沢どまりとなり、金沢-富山・魚津間の廃止が決定。
大阪方面から富山に行く場合は、金沢から北陸新幹線に乗り換えるか在来線を利用する形となります。
富山方面まで直通だったものが費用的にも時間的にも負担を強いられ、不便になることは確実です。
また上に記した、関西圏から首都圏への人口・物流・経済の移動にも拍車をかけかねません。
在来線の利用者が困る!?
出典:wikipedia
北陸新幹線の開通に伴い、従来の在来線はJRからの経営分離が決定しております。
いわゆる「並行在来線問題」というもので、わかりやすくいうと、
「今までJRだった路線が、JRではなくなる」「それにより旅客輸送量が減少する」「経営が厳しくなる」「サービスの低下や運賃の上昇を招く」という悪循環です。
かつて長野新幹線開業の際には信越本線・横川-軽井沢間が廃止になるなど、ほかの新幹線でも見られる問題です。
北陸新幹線と並行する、信越本線・北陸本線については、長野・富山・石川それぞれの第3セクター鉄道による経営が予定されており、新幹線の利用とは直接に関係のない沿線の住民の足に影響を及ぼす可能性が大きいのです。
ほくほく線が困る!?
出典:wikipedia
「ほくほく線」。あまり聞きなれないこの名前ですが、正式名称は「北越急行ほくほく線」といいます。
新潟県内を走る第3セクター鉄道なのですが、現在越後湯沢と金沢を結ぶJR特急「はくたか」の経由路線として有名です。
現在の経営状態はすこぶる良好で、年間数億円の黒字となっています。
しかし9割は特急はくたかによる収益。北陸新幹線の開業と同時に現在の特急はくたかは廃止となり、その名を新幹線に譲る予定になっています。
ほくほく線は9割の収益がなくなりローカル線に転落してしまします。同時に上記のように在来線の利用者にも影響をおよぼしかねません。
まとめ
以上、「北陸新幹線が開通して困る!?5つのこと」をご紹介しました。
北陸新幹線にかぎらず、便利なことの裏側には不便なことが少なからずあるものです。
しかしながらスピードだけが電車の魅力ではありません。
ローカル線でのんびりと沿線の風景を楽しむ旅の醍醐味も味わってみてはいかがでしょうか?
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