【廃止間近】寝台列車の旅【超豪華寝台特急】
2015年2月12日、札幌-大阪を結ぶ豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」が引退する3月12日の最終列車の切符販売が、午前10時の受け付け開始後、わずか数秒で完売したというニュースが流れました。
近年寝台列車の廃止が相次ぎ、寝台列車の旅を楽しむ機会がめっきり減っています。
今回は2015年2月現在、日本国内を走っている寝台列車をご紹介いたします。
関連記事:【2015年3月開業】北陸新幹線が開通して困る!?5つのこと
この記事の目次
寝台列車を巡る事情
出典:Wikipedia
日本においては明治以降、鉄道が交通の中心として発達しました。
多くの寝台列車が運行され、1958年に寝台特急「あさかぜ」に20系客車が登場。
独特の青い車体は「ブルートレイン」と呼ばれ、豪華な設備から「走るホテル」と形容されました。
「ブルートレイン」はその後も新型客車を投入、路線も全国に拡大し、1970年代後半には「ブルートレインブーム」と呼ばれるほどの人気を博しました。
しかし、新幹線や高速道路網の発達、航空機との価格競争、JR分社化によるコスト削減、設備の老朽化などのあおりを受け次第に衰退し、廃止が相次ぎます。
所要時間・旅費・設備などの面から交通の手段としての寝台列車は激減し、「鉄道の旅を楽しむ」というコンセプトへその役割を移しています。
【廃止決定】トワイライトエクスプレス
出典:Wikipedia
1989年に運行を開始した、大阪-札幌間を結ぶ寝台列車。
車両は24系25型を専用編成に改造、深緑に金色の帯の車体が特長。
全ての客席が個室の編成となっており、サロンカーや食堂車のほか、日本海側に窓を設置し、眺望を楽しむことができます。
登場以来人気を博してきましたが、JR西日本は車両の老朽化により廃止を決定。
その他の廃止理由は北陸新幹線開通による並行在来線の経営分離や、北海道新幹線開通に合わせた青函トンネルの電圧変化にあると推測されています。
【廃止決定】北斗星
出典:Wikipedia
1988年に運行を開始した、上野-札幌間を結ぶ寝台列車。
従来のブルートレインとは異なり、数多くの個室寝台やコース料理が楽しめる食堂車「グランシャリオ」などの設備から、日本初の豪華寝台特急と言われました。
全盛期には一日三往復が定期列車となるほどの人気でしたが、徐々に規模を縮小。
2015年3月13日で定期運行終了、2015年8月22日で臨時運行も終了する予定となっています。
廃止理由としては、車両の老朽化と北海道新幹線開業にともなう工事の影響があげられています。
国鉄時代から約60年の歴史を誇る、「ブルートレイン」最後の列車でもあります。
【廃止間近?】カシオペア
出典:Wikipedia
1999年に運行を開始した、上野-札幌間を結ぶ寝台列車。
国鉄時代からの車両を使用したトワイライトエクスプレスや北斗星とは異なり、全社新規製造のE26系客車を投入され、その近未来的なデザインと豪華な設備で人気となりました。
中でも1号車の「カシオペアスイート」は、北海道方面行の列車では大半の区間が列車最後尾となるため、プラチナチケットとして知られています。
気になる今後については、2015年現在は存続について正式の発表は行われておりませんが、北海道新幹線開業に伴う、青函トンネルの電圧変更などの影響もあり廃止となるという予想が強まっておりその存続に関心が集まっています。
【女子に人気!!】サンライズ出雲・瀬戸
出典:Wikipedia
1998年に運行を開始した東京-出雲市駅・高松駅を結ぶ寝台列車。
(東京-岡山間は出雲・瀬戸の併結)
軒並み斜陽化の寝台列車にあって、人気の路線です。
元々は国鉄以来の「寝台特急出雲」「寝台特急瀬戸」の寝台客車特急として運行されていましたが、新型車両285系を投入し、寝台電車特急となりました。
旧来の寝台列車とは内装やカラーリングを一新し、明るい色調の個室や、各車両にはトイレとシャワー、個室ではなくカーテンで仕切る「のびのび座席」などが設置され、清潔感と豊富な設備備品で女性利用客にも人気です。
パワースポットの「出雲大社」の人気とも合わせ、切符入手が困難な人気路線となっています。
【超豪華列車】ななつ星in九州
出典:Wikipedia
JR九州が2013年に運行を開始した、博多駅を出発し九州各地を巡る寝台列車。
行き先は「1泊2日」「3泊4日」などコースが設定され、内容は半年ごとに変更されます。
車両は専用の77系客車が使用され、定員28名の寝台個室のほかラウンジやダイニングを設置。
コース行程の一部にはバスで移動する区間があり、乗客専用の貸切バスが用意されます。
九州各地の名所を巡ることを目的として運行する寝台列車であり、移動手段ではない寝台列車の新しい形といえます。
まとめ
以上、今回は国内を走る寝台列車をご紹介いたしました。
通常の移動目的の寝台列車は今後も淘汰され、寝台列車の旅を目的とした寝台列車というスタイルへの移行は今後も続きそうです。
JR東日本・西日本においても「ななつ星in九州」と同様の列車の運行が計画されています。